メールセキュリティリスクとは? 種類や企業でできる対策を解説

ビジネスにおいて、メールは日々のコミュニケーションに欠かせないツールです。その一方で、メールを通じた情報漏洩やフィッシング詐欺など、様々なセキュリティリスクが存在します。これらのリスクが発生すると、企業にとって重大な損失を招く可能性があるため、メールのセキュリティ対策を強化する必要があります。
今回は、メールに潜むセキュリティリスクや、それらに対する効果的な対策について解説します。
メールセキュリティとは

メールセキュリティとは、様々なセキュリティリスクからメールを保護する技術や対策のことです。メールアカウントやメールの本文、添付されるデータの安全性を高めます。
メールセキュリティの代表的な対策は、アンチウイルス対策、認証対策、暗号化対策です。メールセキュリティを高めることで、フィッシング詐欺や標的型メールのようなサイバー攻撃からメールを保護できるようになります。
メールを介したサーバー攻撃の対策にも有効です。また、人為的ミスや機密情報の持ち出し、誤送信などによる情報漏洩の防止にもメールセキュリティは効果的です。
メールに潜むセキュリティリスク

メールに関する主なセキュリティリスクを4つ取り上げます。
リスク① フィッシング詐欺
フィッシング詐欺は、偽装されたメールを使って受信者から不正に情報を盗み取る手口です。
送信者を偽装し、公式と見せかけたメールを送信して、リンク先の偽Webサイトに誘導します。そこで、受信者に個人情報を入力させることで、情報を不正に入手します。
近年、フィッシング詐欺の手口はますます巧妙化しており、偽装されたメールであるかどうか判別しづらくなっています。これにより、受信者が誤ってリンクをクリックし、情報を提供してしまうリスクが高まっています。
リスク② マルウェア感染
マルウェアとは、悪意のあるソフトウェアやコードの総称です。書き換えられたプログラムにより自己増殖するウイルス、単独で感染を拡大させるワーム、不正に情報を抜き取るスパイウェアなどがマルウェアに含まれます。
メールは、マルウェアの主な感染経路の1つです。受信者が添付されたファイルを開いたりインストールしたりすることで、感染が広がります。特に、不明な送信者や偽装されたアドレスから送られる迷惑メールが感染源となることが多いため、注意が必要です。
マルウェアに感染すると、個人情報の漏洩、システムの不正操作、データの破壊や改ざん、ネットワークの乗っ取りなど、さまざまな被害が発生する可能性があります。これらの被害は、個人や企業のセキュリティに深刻な影響を及ぼすため、適切な対策が求められます。
リスク③ 標的型メール
標的型メールは、特定の企業や個人を狙ったサイバー攻撃の一種です。ターゲットの関心を引くように業務関連の内容で送られてくることが多く、例えば「お見積り内容のご確認」や「ご注文の確認」など、ターゲットの情報をもとに作成されています。
このようなメールは、不特定多数に送られる迷惑メールと違い、受信者が信じて開いてしまうことが高い傾向にあります。
さらに、内容が巧妙に作り込まれているため、本物のメールと見分けがつきにくいのが特徴です。最終的な目的は、企業の機密情報やID、パスワードなどを盗み取ることです。
リスク④ 情報漏洩
メールに関連するセキュリティリスクは、外部からの攻撃だけでなく、内部にも存在します。特に、メールの誤送信は人為的なミスによる情報漏洩の原因となることが多く、同報メールの大量送信時に問題が発生しやすいため、注意が必要です。
また、故意ではない情報漏洩に加え、従業員が意図的に情報を外部に持ち出すリスクもあります。
メールセキュリティ対策の種類

メールセキュリティ対策にはどのようなものがあるのか、受信メール対策と送信メール対策に分けて、主な種類を取り上げます。
受信メールへの対策
受信メールは、取引先などの外部から受け取るメールのことです。受信するメールに対して行える主なセキュリティ対策を4つ紹介します。
対策① アンチスパム
アンチスパムは、必要ない広告や怪しい内容のメールなどのスパムメールを検出するセキュリティ対策です。フィルタにより送信元などを自動で分析して、スパムの疑いがないかチェックします。
スパムメールと判断された場合、受信トレイに届かないようにブロックして迷惑メールに振り分ける仕組みです。
対策② アンチウイルス
アンチウイルスは、メール本文に記載されているリンクや添付ファイルをスキャンするセキュリティ対策です。メールがウイルスに感染していないか、メールを受信する前にチェックします。
悪意のあるソフトウェアなどが発見された場合には、感染源(マルウェアやプログラムなど)を削除または隔離して、デバイスを感染から保護します。
対策③ マルウェア対策
本文やメールに添付されたファイルをスキャンして、マルウェアを排除するセキュリティ対策です。
マルウェアは、既知の脅威と未知の脅威に対処する仕組みがあります。既知の脅威に対しては、パターンマッチング技術を用いて検出・防御を行います。 未知の脅威に対処する主な方法には、閉鎖的な環境でプログラムを実行して判断するサンドボックスや、調査や報告などの知見をもとに対処するインテリジェンスなどの方法があります。
マルウェアが検出された場合の対応は、アンチウイルスと基本的に同じです。検出後にメールボックスに影響を与えないように除去されます。
対策④ メール無害化
メールに危険性があると判断されたとき、ユーザーが影響を受けない形で加工されたメールが受信箱に届くことをメール無害化といいます。メール無害化には、以下のような方法があります。
- HTML形式のメールをテキスト形式に変換する
- 添付ファイルの文章をメールの本文に移動させる
- メール本文にあるURLを無効にする
- 添付ファイルを画像に変換する
など
送信メールへの対策
取引先などに送信するメールについての 対策も重要です。マルウェアに感染したデバイスからメールを送信してしまった場合、感染拡大の加害者になる可能性もあります。送信メールのセキュリティ対策について主なものを取り上げます。
対策① メール暗号化
メール暗号化とは、第三者に通信を盗聴された場合に、やり取りしているメール本文や添付ファイルの中身を見られないように保護することです。第三者に情報を盗まれるリスクを低減できます。
メール暗号化の方法には、TLS/SSLやS/MIME、PGPなどの暗号化方式があります。
TLS/SSLは簡単に暗号化できる方式です。S/MIMEは電子署名を活用した暗号化方式で、なりすまし防止にも役立ちます。PGPは共通鍵と暗号鍵を利用した方式です 。
対策② 誤送信防止機能
メールを送信する際には、宛先を誤って送ってしまうなどの人為的ミスが発生する可能性があります。送信メールのセキュリティ対策として有効なのが、メールソフトに備わっている誤送信防止機能です。具体的には、以下のような機能があります。
- 送信前に確認のポップアップが表示される機能
- 送信取り消し機能
- CCを自動でBCCに変換する機能
- 送信を一時保留にする機能
など
Microsoft OutlookやGmaiなどのメールソフトにデフォルトで備わっているため、確認しておきましょう。
対策③ 脱PPAP
PPAPとは、パスワードで保護されたzipファイルを添付したメールに続けて、パスワードを記載した別のメールを送信する手法です。重要な書類の送信方法として広く利用されてきました。
しかし、PPAPはセキュリティリスクが高いため、使用を停止する企業が増えています。ファイルとパスワードを同じ通信経路で送信することにより、不正に情報を取得されるリスクが高まるためです。
メールセキュリティを強化するには、脱PPAPが必要です。例えば、パスワードをメール以外の方法で共有したり、オンラインストレージなどを利用してファイルを共有したりする方法が推奨されます。
まとめ
フィッシング詐欺やマルウェア感染など、メールを取り巻くセキュリティリスクに関する手口は 年々巧妙化しています。これらの脅威に対して、アンチウイルスやアンチスパム、メール無害化などの受信対策と、暗号化や誤送信防止機能などの送信対策を適切に組み合わせることが重要です。さらに、PPAPに代わる安全なファイル共有方法を導入することで、より強固なセキュリティ体制を構築できます。
セキュリティを担保しつつ社外とファイルを手軽に共有するのであれば「Final Document」の利用をご検討ください。安全かつ簡単に社内や社外とファイルをやり取りできます。メールによる送受信を行わないため、脱PPAPが実現でき、メールへのファイル添付に伴うセキュリティリスクを回避することが可能です。
さらに、誤送信対策としても有効です。送信前のチェック機能や、送信後の取り消し機能(URLの無効化など)により誤送信を防止できるため、情報漏洩リスクを大幅に低減できます。
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