Google ドライブのセキュリティリスクと行うべき対策6選

オンライン上でファイルの保存や共有、編集を行えるGoogle ドライブは、利便性の高さから多くの企業で広く活用されています。しかし、安全性の観点からみると、注意すべきセキュリティリスクも潜んでいます。
今回は、Google ドライブのセキュリティリスクと安全に利用するための対策について解説します。
Google ドライブにおけるセキュリティリスク

まずは、Google ドライブの利用に伴うセキュリティリスクについて解説します。
人為的ミスによる情報漏洩
不注意や誤操作などによる人為的なミスは、Google ドライブから情報漏洩が発生する一因です。
アクセス権限が「リンクを知っている全員」に設定された状態で、共有リンクを記載したメールが無関係の第三者に誤送信されるケースなどは、その一例です。個人情報をはじめとする秘匿性の高いファイルであれば、重大なセキュリティインシデントとなります。
そのほか、会社の共有デバイスで利用した際にログアウトを失念した場合も、本来閲覧権限のない人物が容易にアクセスできてしまうため、情報漏洩につながりかねません。
ウイルス感染による情報漏洩
Google ドライブの利用においても、ウイルスはセキュリティ上の脅威です。次のような経路からデバイスがウイルスに感染すれば、Google アカウントのログイン情報も流出する可能性があり、不正アクセスや情報漏洩のリスクは増大します。
- 不審なメールに記載されたURLや添付ファイルへのアクセス
- ウイルスを含む不正なアプリケーションのインストール
- 悪意のあるプログラムが動作するWebサイトへのアクセス
さらに、Google アカウントのログイン情報が流出すれば、Google ドライブだけでなく、他のGoogleサービスに被害が及ぶリスクもあるため、注意が必要です。
サイバー攻撃
Google ドライブに保存された企業情報の窃取や改変、破壊などを目的に、サイバー攻撃の標的にされるリスクもゼロではありません。特にパスワード管理の不備や不適切なアクセス権限、多要素認証の未導入などは、セキュリティリスクを増大させます。
企業を狙ったサイバー攻撃は、機密情報の漏洩やサービス停止といった被害のほか、経済損失や企業の社会的信用の失墜につながるリスクもあります。
Google側のトラブル
Google ドライブのシステムトラブル も、事前に想定しておくべきセキュリティリスクの1つです。実際にシステム障害により一時的に利用できなくなる事例も発生しています。
万が一Google ドライブで不具合が発生した場合、データの閲覧や編集ができないばかりか、編集中のデータが消失するリスクなどもあります。
特にGoogle ドライブをビジネス利用するのであれば、バックアップをはじめとするリスク対策が不可欠です。
Google ドライブを利用する際のセキュリティ対策6選

続いて、Google ドライブを安全に利用するための対策を紹介します。
1.2段階認証を設定する
2段階認証は不正アクセスやアカウントの乗っ取りなどを防止するための重要なセキュリティ対策です。以下では大まかな手順を説明します。
【手順1】
Google アカウントにログインして、左側のナビゲーションパネルから「セキュリティ」を選択する
【手順2】
「Googleにログインする方法」セクションで「2段階認証プロセス」を選択した後、「2段階認証プロセスを有効にする」をクリックする
【手順3】
本人確認方法を選択する
本人確認方法 | 内容 |
---|---|
Googleからのメッセージ | 新しいデバイスでのログイン時にGoogleから届く通知 |
電話番号 | SMSもしくは音声通話で送信される確認コードを使用 |
認証システム | 認証アプリで生成される確認コードを使用 |
パスキーとセキュリティキー | 生体認証やデバイス認証を利用するパスキー、Titan セキュリティ キーをはじめとする物理的な認証デバイスを利用するセキュリティキーを使用 |
バックアップ コード | 事前に生成されたコードを使用 |
2.アクセス制限を設定する
Google ドライブでは、ファイルやフォルダの共有設定によるアクセス制御が可能です。共有先の設定を「制限付き」にしてユーザーやグループを指定することで、共有リンクが流出した場合にも不正アクセスを防止できます。
さらに、編集権限を限定すれば、誤操作による意図しないデータ変更や悪意のある改ざんも防げます。「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」に対してダウンロードや印刷、コピーを禁止するのも1つの方法です。
3.データ・ファイルを暗号化する
Google ドライブには基本的な暗号化機能が搭載されています。しかし、さらにファイルセキュリティを強化したい場合は、アップロード前に専用のツールで暗号化しておくことをお勧めします。
たとえ不正アクセスされたとしても、暗号化ツールであらかじめ暗号化されていれば、データが解読されるリスクは大幅に低減されるからです。
また、組織向けにGoogle ドライブの機能を充実させた「Google Workspace」では、クライアントサイド暗号化(CSE)によるさらに強固な暗号化機能も提供されています。
4.アプリ連携時はウイルススキャンを行う
Google ドライブとアプリケーションとの連携は、利便性を向上させる一方で、セキュリティリスクを伴います。例えば、マルウェアが組み込まれたアプリケーション、脆弱性のあるアプリケーションなどは、ウイルス感染や不正アクセスの経路となり得ます。
そのため、アプリケーションを選定する際は、提供元や公式ストアの評価などを慎重に確認することが重要です。また、アプリケーションのインストール時、連携時にウイルススキャンを実施することも有効な対策となります。
ウイルススキャンを行うセキュリティソフトは、最新のウイルスへの対応や第三者機関の評価などを勘案し、自社の環境に適した信頼性のあるサービスを選びましょう。
5.フリーWi-Fiに接続しない
公共のフリーWi-Fiを経由したGoogle ドライブへのアクセスは危険性が高いため、極力利用を避けましょう。
多くのフリーWi-Fiでは、通信が暗号化されていません。その状態でGoogle ドライブのIDやパスワードを入力すると、第三者によって盗聴される可能性があります。
なかには、公共のフリーWi-Fiにみせかけた偽のWi-Fiアクセスポイントも存在するので注意が必要です。偽のアクセスポイントに接続した場合、たとえWi-Fiが暗号化されていても、悪意の設置者に通信内容を盗聴される恐れがあります。
やむを得ずフリーWi-Fiを介してアクセスする際は、VPN(Virtual Private Network)を利用することが効果的な対策です。ネットワーク上のデータが暗号化されるため、第三者から盗み見られるリスクが低減します。
6.データのバックアップをとる
定期的に重要なファイルのバックアップをとることにより、Google ドライブでシステム障害が発生した場合のデータ損失に備えられます。
また、自然災害やサイバー攻撃などによるデータ損失のリスクを低減させる上でも、複数の場所にデータを保管する方法は有効です。BCP(事業継続計画)の観点からも、緊急事態への備えとしてデータ保護の重要性が指摘されています。
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例えば、自動ウイルスチェックや上司によるダブルチェック、ワンタイムパスワードなどは、安全なファイル共有を実現するための機能です。ほかにも通信の暗号化やIPアドレス制限、2要素認証など、複数のセキュリティ機能が搭載されています。
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まとめ
2段階認証やアクセス制御、暗号化、バックアップなどの対策をとることで、Google ドライブのセキュリティリスクを低減できます。ただし、全社的なセキュリティ対策に取り組むには、従業員の意識向上が不可欠といえるでしょう。
ビジネスでの利用に不安を感じる場合は、さらにセキュリティ機能が充実したクラウドサービスの検討をお勧めします。