法人向けクラウドストレージとは? 導入のメリットや選ぶポイントを解説
近年、企業のDX化(デジタルトランスフォーメーション)が進むなか、クラウドストレージの活用が注目されています。
導入を検討しているものの、クラウドストレージがなぜ必要なのか、どのように選べば良いのかなど悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
今回は、クラウドストレージを企業で導入するメリットや選び方について解説します。
法人向けクラウドストレージとは?
クラウドストレージとは、ファイルやデータをインターネット上に保管できるサービスのことです。保管したデータは複数人で共有できます。オンラインストレージと呼ばれることもありますが、呼び方が異なるだけで同じものです。
クラウドストレージは、場所やデバイスを問わず、どこからでもファイルやデータにアクセスできるのが特徴です。オフィスからはもちろんのこと、外出先や従業員の自宅からでもアクセスできます。また、PC以外にスマートフォンやタブレットなどのデバイスからでも閲覧できます。
なかには、スマートフォンの写真や動画のバックアップをするために、プライベートでクラウドストレージを利用したことがある方もいるでしょう。データを保管、共有できる点では、個人向けも法人向けも大きな違いはありません。
しかし、個人向けと法人向けではセキュリティ面が大きく異なります。 法人向けでは、二段階認証や不正ログイン検出などが備わっているのが特徴です。
クラウドストレージについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
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法人向けクラウドストレージを利用するメリット
ビジネスシーンでクラウドストレージを利用するメリットについて、詳しくみていきましょう。
メリット① 低コストで利用できる
クラウドストレージなら、社内にサーバーを設置するオンプレミス型と比べて低コストで運用できます。
オンプレミス型の場合、サーバーの構築に費用がかかるほか、カスタマイズやメンテナンスを自社で行う必要があるため、運用の負担が大きくなりがちです。
クラウドストレージであれば、 手間がかからず費用も安く済む ため、多くの企業がオンプレミス型からクラウドストレージに移行しています。
メリット② 拡張性が高い
クラウドストレージは拡張性が高く、利用環境の変化に応じて柔軟にプランを変更できます。例えば、企業が成長して従業員が増えた場合には、プランを変更して容量を簡単に増やすことが可能です。
また、クラウドストレージの種類によっては、外部のアプリと連携できるものもあります。例えば、「Box」というクラウドストレージでは、Microsoft TeamsやGoogle Workspace、Slackなどのアプリと連携することが可能です。
メリット③ セキュリティが高度である
法人向けのクラウドストレージは、セキュリティが堅牢です。不正アクセスやウイルス感染のリスクが少なく、重要なデータでも安心して保管できます。
2段階認証、2重暗号、ワンタイムパスワードなどの認証機能が付いているのもメリットです。万が一パスワードが流出しても、不正アクセスを防止できます。
ファイルごと、またはフォルダごとにアクセス制限を設定できる機能も備わっています。 重要度の高さに応じたアクセス制限ができるため、情報の持ち出しを防ぐことが可能です。
また、運営元(サービス事業者)が明確である点も、セキュリティ対策の観点で重視すべきポイントです。
メリット④ リモートワークや外出先からのアクセス可能
インターネットに接続できる環境があれば、 場所を問わずにクラウドストレージにアクセスできます。 クラウドストレージは24時間稼働しているため、時間も問いません。
そのため、在宅勤務やテレワークの導入を検討している企業にとって有効なツールといえます。
メリット⑤ 保守の手間がかからない
クラウドストレージを利用する際には、自社でメンテナンスをする必要はありません。導入時に申込み手続きさえ行えば、その後の管理、運用、保守などはベンダーに一任できます。
オンプレミス型を利用する場合と異なり、社内に管理担当者を設ける必要がない ため、人件費の削減や業務効率化も図れます。
メリット⑥ 災害発生時のBCP対策になる
法人向けクラウドストレージのサーバーはデータセンターに置かれており、災害に強い構造となっているため、安全にデータを管理できます。
そのため、地震や台風などの自然災害発生時でもデータを守れるのがメリットです。BCP対策(自然災害、重大事故などが起こった際の事業継続計画)としても活用できます。
法人向けクラウドストレージの選び方
法人向けのクラウドストレージを選ぶときのポイントについて見ていきましょう。
ポイント① ユーザー課金制かデータ容量課金制か
クラウドストレージの料金形態は、ユーザー課金制とデータ容量課金制の2種類に大別できます。
ユーザー課金制は、クラウドストレージを利用するユーザーの人数に応じて料金が決まる仕組みです。1人単位で料金が変わるものや、10人まで、50人までのように定額で利用できるものもあります。
データ容量課金制は、クラウドストレージで利用できるデータ容量に基づいて料金が決まる仕組みです。500GBまでのプランや1TBまでのプランなどがあります。個人向けのクラウドストレージと比べると、全体的に容量が多めです。
また、 ユーザー課金制とデータ容量課金制の両方を組み合わせたプランを設けているところもあります。
ポイント② ストレージ容量は十分か
ストレージ容量がいっぱいになってしまうと、それ以上ファイルやデータを保管できません。クラウドストレージを導入する際には、自社の用途に対してストレージ容量が十分かどうかを確認しておく必要があります。
容量が足りるかどうか判断する際には、1TBの容量でどのくらいのデータを保管できるのか把握しておくことが大切です。 1TBは1,000GB、1GBは1,000MBです。
WordやExcelなどのファイルであれば、ほとんどが1MB未満のサイズです。そのため、1TBのストレージがあれば、約100万点のファイルを保管することができます。画像ファイルなら2~5MB程度のため、20万~50万枚ほどです。
動画の場合、画質や長さによって大きく差があります。業務で普段扱っている動画のファイルサイズを確認しておきましょう。
ポイント③ セキュリティ対策は万全か
法人は顧客情報や機密情報を保有しているため、重要度の高い情報が流出すると大損害につながるおそれがあります。顧客や取引先から信用を失うだけでなく、責任を問われることもあります。
そのような事態を防止するため、法人がクラウドストレージを選ぶ際には、セキュリティ対策が徹底されているかを重視する必要があります。
クラウドストレージに備わっているセキュリティ機能としては、下記の通りです。
- アクセス制限
- 不正アクセスからの防御
- ログ管理
- 通信経路の暗号化
- ウイルス・マルウェア対策など
ポイント④ 必要なサービスや機能が備わっているか
自社で必要とする機能やサービスが備わっているかを確認しましょう。例えば、稟議書など社内申請をスムーズにするワークフロー機能や、ブラウザー上でのファイル更新機能などがあると便利です。
サービスによっては、ファイルに公開期限を設定したり、ユーザーごとに閲覧権限を変更したりする機能もあります。モバイル同期や自動同期なども必要であればチェックしておきましょう。
サポート体制の充実度も重要です。 外国企業が提供しているクラウドストレージの場合は、日本語でのサポートに対応しているかどうかも確認しておきましょう。
また、日本語サポートに対応していたとしても、海外企業だと時差の影響や、日本語対応をできる担当者が少ないことがあります。その場合、タイムリーに回答してもらえない、適切な回答が得られないなどのデメリットがあるので注意が必要です。
ポイント⑤ 使いやすい操作感か
シンプルでストレスなく操作できるサービスを選びましょう。使いにくいサービスは社内で浸透しにくく、業務効率にも影響が出てしまいます。使われないとコストが無駄になってしまうでしょう。
また、操作方法が複雑すぎると、導入するにあたって研修も必要になります。
ポイント⑥ ディザスタリカバリ対策がされているか
ディザスタリカバリ対策とは、災害復旧対策のことです。前述した通り、クラウドストレージは災害に影響しづらい構造をもつデータセンターにデータを保存しているため、データ消失の心配がありません。
しかし、大規模な停電やネットワークの遮断により、データにアクセスできない場合があります。そのような事態に備えるためにも、 クラウドストレージの提供事業者が、データセンターの拠点を複数構えているか確認するようにしましょう。
複数のデータセンターがあれば、データを分散保管することが可能です。万が一ひとつのデータセンターが稼働できなくても、別のデータセンターにて安全にデータが守られます。
まとめ
クラウドストレージは拡張性が高く、どこからでもアクセス可能です。自社でのメンテナンスは不要で、災害時のBCP対策としても活用できます。低コストでセキュリティも高いことから、クラウドストレージを導入する企業が増えています。
クラウドストレージを選ぶ際には、料金体系、容量、セキュリティ、機能、操作性などをチェックしておきましょう。
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