バックオフィスの効率化 抱える課題と解決方法
企業の競争力を高めるためには、フロントオフィスだけでなく、バックオフィスの効率化にも取り組むことが重要です。経理や人事、総務などの間接部門は、ビジネスの根幹を支える重要な役割を担っています。
バックオフィス業務を効率化することで、コスト削減や生産性向上だけでなく、労働環境の改善やヒューマンエラーの防止にもつながります。
今回は、バックオフィスの効率化に向けて、課題や解決方法について紹介します。
バックオフィスが抱える課題
バックオフィスはどのような課題を抱えているのでしょうか。ここでは、バックオフィスが抱える主な課題を2つ紹介します。
課題① 業務負担が大きい
バックオフィスは業務内容が広範囲に渡ります。総務や経理、人事、財務、労務、法務など、あらゆる仕事がバックオフィスに割り当てられるため、業務負担が大きいのが課題です。
また、 企業のなかには、フロントオフィスに十分な人員を割り当てる一方で、バックオフィスを担当する人員が少ないケースもあります。 さらに、人手不足の企業においては、バックオフィス業務を担当する方がフロントオフィス業務と兼任しているケースも見受けられます。
このような場合、限られた人数で社内の事務処理をすることになるため、一人にかかる業務負担が大きくなってしまいます。
課題② DXが進まない
企業では、業務効率化や生産性向上のためのDX化が推奨されています。
DX化を取り入れるには、業務内容の洗い出しやITツールの選定・導入が必要です。ただし実際にはそうした準備に時間を割くのが難しいのが現状です。
また、 企業運営において、バックオフィスはフロントオフィスに比べて予算を回してもらいにくいことも、DX化が遅れている理由のひとつ です。その結果、少ない人数でアナログなバックオフィス業務を回さなければなりません。
バックオフィスの効率化で得られる効果
後回しにされがちなバックオフィスの効率化ですが、実は取り組むことで得られる効果はたくさんあります。ここでは、バックオフィスの効率化で得られる効果について紹介します。
効果① 生産性の向上
バックオフィスの業務を自動化・効率化することで、生産性向上につながります。
例えば、紙ベースで行っていた請求書や注文書などの伝票作成、経費の精算などの事務作業をペーパーレス化すれば、書類の整理や郵送にかかる時間が減り、付加価値の高い業務に集中できます。
本来バックオフィスは、事務作業だけでなく内部統制の整備など企業運営を円滑に進めるための仕組みを構築する部署です。
事務作業に時間をとられて、マネジメントやガバナンスに関する業務に時間を割けないと、内部の統制がとれずに不正などが起こりやすくなってしまいます。
バックオフィスの効率化は、そうした付加価値の高い業務に時間を割き、組織を統制し、長く生き残る強い企業をつくるために欠かせません。
効果② コスト削減
バックオフィスの業務には下記のような業務があります。
総務 | 消耗品の管理、社内イベントの企画など |
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経理 | 取引先への請求書などの発行、給料計算など |
人事 | 採用活動、従業員の労務管理や評価など |
財務 | 企業の資産運用や予算の管理など |
例えば、取引先への請求書を紙ではなくデータで発行し、メールやファイル共有サービスで送ることで、印刷費や郵送費などが削減できます。紙を印刷して宛名を書き、請求書を封詰めして切手を貼って送る手間がなくなるため、その分の人件費もカットできます。
予算の管理や消耗品の管理、給料計算なども自動化することで、計算ミスや入力ミスなど人的なミスが減り、トラブル対応などにかかる時間的コストもなくなります。
効果③ ヒューマンエラーの防止
バックオフィスの業務を手作業で行っていると、ヒューマンエラーが発生しやすくなります。数字の見間違いや入力ミス、誤字脱字、データの抜けなど、ちょっとしたミスでも発見と修正に時間がかかりがちです。
業務を自動化することで、そのようなミスを防止できます。 作業を戻して確認し直したり、最初からやり直したりすることもなくなるため、効率化につながります。
効果④ 労働環境の改善
バックオフィスの効率化が進むと、リモートワークの導入や残業時間の削減といった働き方改革も進めやすくなります。これまでのアナログ業務により残業を余儀なくされていた従業員も、残業がなくなれば業務負担が減り、心身ともに健康的な状態を維持しやすくなります。
業務効率化によって属人的な業務をなくし、個人の経験やスキルに頼らない体制が整うと、業務を1人に集中させることなく、分担して早く終わらせることも可能です。 従業員にとって働きやすい環境を整えて満足度が向上すれば、離職率の低下も期待できます。
バックオフィスを効率化する方法
バックオフィスの効率化によって、コスト削減や労働環境の改善など、複数の効果が期待できます 。では、どのように効率化を進めれば良いのでしょうか。ここでは、バックオフィスを効率化する方法を紹介します。
方法① ITツールを導入する
バックオフィスの効率化にはITツールの導入が不可欠です。日々のタスク管理、部署内や社内のコミュニケーションツール、勤怠管理、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など、ITツールで効率化できる業務を洗い出してみましょう。
ITツールを導入する際は、現状の課題を解決できるものを選定することが大切です。 例えば、紙ベースの資料に頼っていることが課題であれば、ペーパーレス化のためにデータの管理や共有ができるツールがあれば解決できます。
ここでは、2つのITツールについて紹介します。
OCR
OCRは紙のデータをスキャンして文書化するツールです。紙ベースでの業務が中心になっている企業では、まずOCRを使ってペーパーレス化を目指すことが業務効率化の第一歩です。
OCRによってデータ化された文書なら、 文書の検索が可能であるため、膨大な紙の資料の中から欲しい資料を探す手間が省けます。 また、データ化しておくと共有も容易にできるため、コピーして郵送したり、社内の他部署に持って行ったりする時間も不要です。
RPA
RPAは、PC上で行う定型的な事務をソフトウェアで自動化するツールです。PCへの入力作業や、入力したものの確認作業を自動化できるため、入力ミスや確認漏れなどのヒューマンエラーを防ぐことにもつながります。
RPAは24時間365日稼働できるため、手作業で行う定型的な事務は、なるべくツールに任せるようにしましょう。RPAの導入によって、従業員の事務負担が軽減し、バックオフィスの効率化が期待できます。
方法② アウトソーシングを活用する
社内の従業員だけで業務を行うのが難しい場合は、アウトソーシングを活用して外部に委託するという解決策もあります。例えば、データの入力作業、お客様とのメールや電話対応などの業務を外部に委託することで、従業員が本来の業務に集中できるというメリットがあります。
また、専門的な知識をもつ外部の人材に発注することで、同じような専門的なスキルの人材育成が不要です。 自社に不足しているスキルを外部の人材で補うことができ、人材採用や教育の負担をかけることなく業務を進めることにつながります。
まとめ
バックオフィスの効率化は、コスト削減につながるほか、企業の統制を図るための本来の業務に集中できます。これにより、持続可能な強い企業を育てることも期待できます。
バックオフィスの効率化には、ITツールの選定が重要です。「Final Document」は、営業に関する資料や請求書、注文書などを管理・共有できるクラウドサービスです。社内や取引先とデータを共有する際に、フォルダごと共有して作業スペースを作ることが可能です。
データのやりとりが容易になるため、バックオフィスの効率化にお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。