ファイルセキュリティとは? 起こり得るリスクに対する対策

従業員が社外とファイルのやり取りをする機会が増えたため、セキュリティ対策を施したいと考えていませんか。データを安全にやり取りするためには、ファイルセキュリティ対策が不可欠です。今回は、ファイルセキュリティに関するリスクや対策について紹介します。
ファイルセキュリティとは

ファイルセキュリティとは、デジタルファイルを保護するための安全対策のことです。
デジタルファイルとは、文書や企業秘密、重要な情報、ログファイル、ソースコードなどの電子データを指します。これらの情報の安全に保管するためには、ファイルセキュリティが重要です。
ファイルセキュリティが脆弱だと、あらゆる悪質な行為の被害に遭いやすくなります。情報の削除や改ざん、不正なアクセスなどからデジタルファイルを適切に保護するには、ファイルセキュリティの強化が求められます。
なお、ファイルセキュリティとは、あらゆる脅威からの保護のみを意味するものではありません。必要なタイミングで、権限を有する方が適切にデータにアクセスできることも含まれます。
ファイルセキュリティに関するリスク

ファイルセキュリティが脆弱だと、あらゆる脅威にさらされやすくなります。ファイルセキュリティに関するリスクについて、代表的なものを3つ紹介します。
情報が流出する
ファイルセキュリティに関するリスクの1つは、情報漏洩です。ウイルスがファイルサーバーに侵入することで、データの流出が発生し、情報が外部に漏れる危険性があります。
例えば、Webサイトへの不正アクセスにより情報が改ざんされたり、SNSが乗っ取られたりするリスクが考えられます。
不正アクセスは、外部からの攻撃だけでなく、企業内部からのアクセスにも注意が必要です。
アクセス権限が適切に設定されていないと、一般の従業員のアクセスにより重大な情報が第三者に公開されてしまうリスクもあります。情報漏洩は、社会的な信用の低下にもつながる重大なリスクであるため、適切な管理が求められます。
データが使用できなくなる
ファイルセキュリティに関して、ファイルサーバーが正常に機能しなくなることで、データにアクセスできなくなるリスクもあります。
データへのアクセスが無効になる可能性として考えられるのが、マルウェアの感染です。感染すると、データが破壊されるなどして使用できなくなる可能性があります。
また、マルウェアの一種であるランサムウェアに感染すると、ファイルの暗号化によりデータを確認できなくなり、ロック解除のために身代金を要求されることもあります。
ウイルスを拡散してしまう
ファイルセキュリティで適切なデータの検査が実施されていないと、顧客からのメールやファイルのダウンロードなど、様々な経路からのウイルスを遮断できない可能性があります。
ウイルスに感染することで懸念されるのが、ウイルス拡散のリスクです。感染に気付かずにファイルを送ってしまうと、社内あるいは社外にウイルスが拡散する可能性があります。
さらに、ファイルサーバーが感染すると、サーバーに接続されているクライアント側のパソコンにもウイルスが拡散していきます。このウイルス拡散により、データの破壊や情報漏洩、システム障害などが発生し、多大な損失を招く恐れもあるため、細心の注意が必要です。
なお、利用状況の管理が適切に行われていないと、ウイルス感染やサイバー攻撃などの被害を受けたときに、原因の特定が難しくなるリスクもあります。
ファイルのセキュリティ対策

ファイルセキュリティを向上させるにはどのような方法が考えられるでしょうか。セキュリティを高めるのに役立つ対策を5つ紹介します。
セキュリティソフトの導入
ファイルセキュリティを高めるには、すべてのパソコンにセキュリティソフトを導入することが重要です。
セキュリティソフトは、マルウェアやサイバー攻撃からデータを保護するソフトウェアです。マルウェアの検知や駆除を基本機能として備え、Webサイトへのアクセス制限、迷惑メールのフィルタリング、外部ネットワークへのアクセス制限などの機能を有します。
セキュリティソフトは、総合的なセキュリティ対策を施せる点でメリットがあります。Windowsの標準セキュリティ機能を補完するのにも有効です。
社内ネットワーク構築のためにサーバーを設置している場合は、サーバーにもセキュリティソフトを導入します。万が一、不正アクセスやサイバー攻撃を受けたときに原因を特定できるようにするためにも、感染経路や感染したパソコンの特定ができる製品を選択するのがお勧めです。
アクセス権限の管理
ファイルサーバーへのアクセス権限の管理は、ファイルのアクセスを制限して情報漏洩を防止するのに有効です。
アクセス権の種類には、読み取りのみが実行できる権限、読み取りとファイルの編集ができる権限、読み取りと編集に加えてアクセス権の変更ができる権限があります。
アクセス権を設定するには、ユーザーアカウントの作成と適切なアクセスを実行するためのフォルダー構成の設定が必要です。作成したアカウントをグループに分類し、役職や所属部署に応じて権限を付与します。
重要度の高いファイルは、共有できない設定にしておくことも必要です。入退社や異動で人事に変更がある場合は、アクセス権を都度見直し、適切な権利の行使がされるようにします。
アクセスログの監視
アクセスログの監視とは、ファイルサーバーへのアクセス記録やネットワークの利用状況を取得し、異常がないか監視することです。ログを監視することで、不正アクセスの早期発見や情報漏洩対策につながります。
アクセスログの監視に適しているのが、ログ監視ツールのような専用ソフトです。ログの異常を感知する監視機能のほか、情報を素早く抽出する検索機能、異常を知らせるアラート機能、状況を定期的に報告するレポート機能が備わっています。
従業員が使用するパソコンに専用のツールを導入して、ログの取得や監視ができる状態にします。ログ監視を全従業員のパソコンに取り入れるメリットは、原因の特定により、情報漏洩やサイバー攻撃が発生したときに適切な対策を講じやすくなることです。従業員の不正行為を抑止する効果にもなります。
社内のセキュリティガイドラインの作成
セキュリティガイドラインとは、業務上で遵守すべきセキュリティの考え方を示したものです。従業員が正しくデータを扱えるようにするため、社内のセキュリティガイドラインを作成します。
セキュリティガイドラインで定めるのは、データの管理方法や持ち出し方法、社外からのアクセス制限などについてです。ガイドラインは、定期的に監査や更新を行い、最新の状況に適した内容にします。
また、ガイドラインを策定した後は、社内に周知し、従業員に徹底させることが重要です。定期的な通知や研修などを実施して社内にセキュリティ意識が定着するようにします。
オンラインストレージの導入
社内のファイルサーバーにデータを保管するのではなく、オンラインストレージを利用する方法もあります。オンラインストレージのメリットは、データの暗号化やログ機能などのセキュリティ機能を利用できることです。
オンラインストレージにデータを保管することで、ファイルセキュリティ対策ができます。データのバックアップや安全な環境でのデータ保存にも対応しており、データの安全な保管に便利です。
セキュリティ機能はオンラインストレージのサービスによって異なるため、機能が充実したものを選択すると良いでしょう。
セキュリティ対策が万全なクラウドサービスをお探しの場合は、「Final Document」をご利用ください。ストレージや通信の暗号化に加え、多様なセキュリティ機能を搭載しています。ログ取得にも対応しており、いつ誰が誰に何を送信したのか、通信記録の管理もできます。
まとめ
ファイルセキュリティは、情報漏洩やウイルス拡散を防ぐために有効です。適切な対策を行うことで、重大なデータを保護し、適切なユーザーのアクセス制御が可能になります。取引先への影響を避けるためにも、ファイルセキュリティの対策を入念に行いましょう。