受発注業務を効率化する方法とは? よくある課題やメリットも解説

企業の取引を支える「受発注業務」は、取引先との信頼関係を維持し、安定した供給体制を整える上で欠かせない業務です。しかし、電話やFAX、メールなどを中心にしたアナログな対応では、入力ミスや情報共有の遅延など、多くの課題が生じやすくなります。
今回は、受発注業務で起こりやすい課題を整理しつつ、受発注業務を効率化する方法について解説します。
受発注業務でよく見られる課題
受発注業務は一見単純に見えても、取引先や商品数の増加に伴い複雑化します。アナログな手作業や複数ツールを使った管理では、ミスや遅延、情報の分断といった問題が発生することも少なくありません。ここでは、受発注業務における主な課題を紹介します。
人的ミスの発生
受発注業務では、人手によるデータ入力や伝票処理が多いためヒューマンエラーが発生する可能性があります。例えば、電話での聞き間違いによる数量の誤り、FAXの読み取りミス、Excelへの転記漏れや入力ミスなどが挙げられます。
特に、紙ベースやExcelでの管理では、注文内容をシステムへ手動入力する工程が多く、1桁の誤りが大きな納品トラブルにつながることもあります。また、担当者ごとに入力形式が異なる場合、社内でデータの整合性が取れず、後続の処理にも影響を及ぼします。
業務の煩雑化
取引手段が電話やFAX、メールなど複数に分散していると、注文内容の管理が煩雑になります。異なる経路から届く注文を1つひとつ確認、転記する作業は手間がかかる上、抜け漏れや重複処理が発生しやすくなります。
特に繁忙期には受注、発注件数が急増するため、確認作業だけで膨大な時間を要し、出荷や請求処理が遅れるケースも少なくありません。
さらに、注文情報をFAXやメールの添付ファイルなどでやり取りしている場合、情報の検索性が悪く、過去の注文履歴を追うだけでも時間がかかります。このような煩雑さが積み重なることで、担当者の負担が増え、業務効率が大幅に低下してしまいます。
部門間の連携不足
受発注業務は、販売部門だけで完結するものではありません。生産、在庫管理、経理、物流など、複数の部署が関わるため、情報共有の遅れが大きなロスにつながります。
アナログなやり取りを続けていると、担当者がメールやFAXの内容を手動で各部門に共有する必要があり、その過程で情報が抜け落ちたり、誤って伝達されたりするリスクもあります。
業務の属人化
受発注業務は、長年担当してきた従業員の経験や勘に頼るケースが多く、「特定の人しか分からない」状態になることも珍しくありません。担当者が休職または退職した場合、後任者への業務引継ぎに時間を要し、取引対応が滞るリスクもあります。
また、属人化が進むと業務フローの標準化が進まず、同じ業務でも担当者によって手順や判断基準が異なるといった非効率が生まれます。
システム連携の不足
販売管理、在庫管理、会計などのシステムを個別に導入している企業が存在します。それらのシステムが連携していない場合、データを手動で入力し直す必要があり、非効率な作業が発生します。例えば、受注データを販売管理システムに入力した後、同じ情報を経理システムにも再入力するようなケースです。
こういった重複作業は、入力ミスや確認漏れを生みやすく、データの整合性も損なわれます。また、システム間でデータがリアルタイムに同期されていないと、最新の在庫情報を反映できず、誤出荷や在庫不足の原因にもなります。
テレワークに対応しづらい
電話やFAXを中心に受発注業務を行っている場合、オフィスでの作業が必要なことから、テレワークに対応しづらいという課題があります。
特にFAXでのやり取りが多い企業では、紙での確認や押印など現場作業が前提となる業務が多く、従業員が出社しないと処理が滞る恐れがあります。
顧客対応の負担
受発注業務の現場では、取引先から「在庫はあるか」「いつ出荷されるか」といった問い合わせが発生することも少なくありません。これらの確認に時間を取られることで、他の業務が後回しになり、担当者の負担が増大します。
さらに、リアルタイムで在庫や納期を確認できる仕組みがない場合、別部署への確認が必要になり、顧客対応が遅れることもあります。
受発注業務を効率化する方法
受発注業務の効率化を実現するには、単に新しいシステムを導入するだけでなく、現状の業務プロセスの見直しや外部リソースの活用、自動化ツールの導入などを組み合わせて取り組むことが重要です。ここでは、受発注業務を効率化するための方法を解説します。
業務フローの見直し
最初に着手すべきは、現状の業務フローを可視化し、どこに無駄やミスが生じているかを明確にすることです。業務フローチャートを作成して、受注から納品までの一連の流れを細かく洗い出すことで、手作業が多い箇所や担当者間の引き継ぎが曖昧な部分など、ボトルネックを発見できます。
その上で、作業の重複や非効率な手順を見直し、可能な部分は自動化、デジタル化することが有効です。また、マニュアル化することで、属人化を抑制し、誰でも同じ品質で対応できる体制を整えることも重要です。
アウトソーシングの活用
手入力で行っていた受発注業務の作業を外部の専門業者に委託することで、業務の正確性とスピードを高められます。特に、定型的な受注データの処理や発注書の作成、在庫確認といったルーティン業務は、アウトソーシングすることで効率的に処理することが可能です。結果として、担当者の負担を軽減しながら、全体の業務品質を向上できます。
また、専門業者は受発注業務の最適化に関するノウハウを持っており、自社では気づきにくい改善点を提案してくれる場合もあります。業務の一部を任せることで、より正確で安定した運用体制を築けます。
ツールの導入
受発注業務の効率化には、最新のデジタルツールの導入が欠かせません。オンラインで受発注を完結できるシステムや、自動化技術を活用したツールを組み合わせることで、手作業を減らし、ミスをなくすことにつながります。業務効率化に効果的なツールは以下の4つです。
AI-OCR
AI-OCR(光学式文字認識)を活用すると、FAXやPDFなどの紙ベースの注文書を自動でテキストデータ化できます。担当者が手入力する必要がなくなり、受発注システムへの登録を自動化できます。
RPA
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、人間がPC上で行う定型作業を自動で実行する仕組みです。受発注業務では、注文データの入力、在庫チェック、請求書の発行、確認メールの送信など、繰り返し行われる業務に活用できます。
RPAを導入することで、人の手による操作を最小限に抑え、作業スピードを向上させるとともにヒューマンエラーを防止できます。
基幹業務システム
基幹業務システムとは、企業活動の中心となる販売管理、生産管理、在庫管理などの業務を統合的に管理するシステムのことです。
受発注システムと基幹業務システムを連携させることで、注文情報がリアルタイムで在庫や生産計画に反映され、出荷から納品までのリードタイムを大幅に短縮できます。
クラウドFAX
クラウドFAXとは、インターネット経由でFAXの送受信ができるサービスです。紙の印刷や管理が不要なため、オフィス外やテレワーク環境でもFAX業務を行えます。
受発注業務においては、FAXで届く注文書や見積書を電子データとして一元管理できるため、情報の共有や検索がスムーズになります。従来のように紙を扱う手間や、FAXの仕分け・保管にかかる時間を削減でき、業務のスピード化と正確性の向上に貢献します。
FAXでの受発注を効率化したい場合は、クラウドFAXサービス「まいと~く Cloud」をご検討ください。
「まいと~く Cloud」なら、メール感覚でFAXを送受信でき、閲覧、振り分け、共有がクラウド上で完結します。
受発注システムやAI-OCRと連携することで、FAXで届いた注文書を自動でデータ化し、システムに自動登録するなど、自動化も可能です。
また、送信履歴の自動保存や仕分け、返信の自動化機能も備わっており、業務スピードと精度を両立できます。
受発注業務を効率化するメリット
受発注業務を効率化することは、企業全体の生産性や顧客満足度の向上にも直結します。ここでは、受発注業務を効率化することで得られる主なメリットを紹介します。
人的ミスの削減
手作業による転記や入力作業が多いと、入力漏れや桁間違い、誤転記などのヒューマンエラーが 発生しやすくなります。業務を効率化することで、こうしたミスを大幅に削減できます。
例えば、データが自動で反映・更新される仕組みを整えれば、二重入力や計算ミスを防止できます。
また、システム上で履歴が残ることで、トラブル発生時に原因をすぐに特定でき、誤りの修正や再発防止がスムーズになります。これにより、常に正確な情報をもとに業務を進められるようになり、取引先や顧客からの信頼性も向上します。
業務時間の大幅な削減
業務プロセスを見直し、デジタル化や自動化を進めることで、これまで膨大な時間を費やしていたデータ入力、確認、修正といった作業にかかる時間を大幅に削減できます。
特に、受注情報を発注や在庫管理に自動連携される仕組みを整えることで、人的な確認作業が不要になるでしょう。
結果として、注文処理から納品までのリードタイムが短縮され、業務スピードが大幅に向上します。また、入力作業に費やしていた時間を別の業務に充てられるため、全体的な生産性アップにもつながります。
生産、在庫、販売管理の最適化
受発注業務を効率化し、生産・在庫・販売の各システムと連携させることで、リアルタイムで一元管理できるようになります。
例えば、受注データが登録されると、自動的に在庫数や生産計画が更新されるため、欠品や過剰在庫といったリスクを防ぐことが可能です。
また、販売動向や需要予測データを分析することで、より効率的な仕入れや生産計画の立案もできます。
顧客満足度の向上
受発注業務を効率化することで、顧客からの注文状況や在庫状況をリアルタイムに確認できるようになり、問い合わせ対応がスムーズになります。
例えば、「いつ納品されますか」といった質問にも即座に正確な情報を回答できるため、顧客の安心感が高まるでしょう。また、ミスや納期遅延のリスクが減ることでクレームも減少します。
まとめ
受発注業務を効率化するためには、まず現状の課題を洗い出し、業務フローを改善することが重要です。その上で、AI-OCRやRPA、クラウドFAXといったサービスを導入し、可能な限り自動化を進めることで、ヒューマンエラーを減らし、スピーディーな対応が可能になります。経営全体の効率化を実現するためにも、現状の受発注業務を見直すことが重要です。
