コラム

文書のペーパーレス化の進め方とは? メリット、デメリット、ペーパーレス化に向いている文書を解説!

ペーパーレス化とは、紙の書類や資料を電子化してデータとして活用することを指します。テレワークやオンライン会議が普及した現在、ペーパーレス化に取り組む企業は増加しています。
一方で、その必要性を認識しつつも、依然として紙の資料や書類を使用し続けている企業も少なくありません。そこで今回は、ペーパーレス化のメリット・デメリットや具体的な進め方、さらにペーパーレス化に適した文書の種類について解説します。

ペーパーレス化のメリット

ペーパーレス化を進めるメリットは、以下の5つが挙げられます。

  • コストを削減できる
  • 業務効率が向上する
  • セキュリティの強化が図れる
  • テレワークの推進に役立つ
  • 環境負荷を軽減できる

ここではそれぞれの詳細を解説します。

メリット① コストを削減できる

ペーパーレス化により、紙やインク、印刷機のメンテナンスにかかるコストを削減できます。
紙の書類を保管するためのスペースも不要になり、書類保管用の倉庫をレンタルしている場合は、そのコストも削減できます。

メリット② 業務効率が向上する

ペーパーレス化の推進は、業務効率の向上にもつながります。
紙の書類を電子データ化することで、必要な情報をすぐに検索・共有できるようになります。書類を探す手間が削減されるだけでなく、社外にいるときも書類を確認できるようになり、業務効率が向上します。
また、ファイルをクラウド上で管理すれば、複数のメンバーが同時にアクセス・編集できるため、チームでの作業が効率的に進められます。

メリット③ セキュリティの強化が図れる

ペーパーレス化により、セキュリティ強化も図れます。
電子データはパスワード管理や暗号化により、情報の漏洩や改ざんのリスクを軽減でき、外出先で重要書類を紛失するなどの心配もありません。紙の書類と比べてセキュリティが向上し、重要な情報をより安全に保管・管理できます。

メリット④ テレワークの推進に役立つ

ペーパーレス化は、テレワークの推進にも役立ちます。
電子データを活用することで、場所を問わずアクセスや共有が可能となり、オンラインでの会議や共同作業もスムーズに進行できます。
ペーパーレス化を推進することで、テレワークでも効率的に業務を進められる環境が整います。

メリット⑤ 環境負荷を軽減できる

紙の使用量を減らすことで森林資源の保護につながり、製造や廃棄によるCO₂排出量の削減など、地球環境への貢献が可能です。
また、ペーパーレス化はSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取り組みとしても評価され、環境意識の高い企業としてイメージ向上にもつながります。

ペーパーレス化のデメリット

ペーパーレス化を推進することで生じる、以下のようなデメリットも存在します。

  • 導入に一定のコストがかかる
  • システムトラブルのリスクが増加する
  • 従業員が抵抗感を抱く可能性がある

導入前の不安が解消できるように、それぞれの詳細を解説します。

デメリット① 導入に一定のコストがかかる

ペーパーレス化のデメリットとして、導入コストの負担が挙げられます。
システムやITツールの導入には一定の費用がかかり、企業にとって一時的な負担となる場合があります。しかし、紙やインク、保管場所、人件費の削減につながるため、長期的にはコスト削減効果が期待できます。

デメリット② システムトラブルのリスクが増加する

書類の電子化に伴い、システム障害やネットワーク不具合などのリスクが増加します。
万が一トラブルが発生すると、業務が停滞したり、保管データが消失したりする可能性はゼロではありません。バックアップや復旧計画の整備は欠かさないようにしましょう。

デメリット③ 従業員が抵抗感を抱く可能性がある

ペーパーレス化に対して従業員が抵抗を感じる場合があります。
特に、紙の書類に慣れた従業員にとっては、新しいシステムやITツールの導入に不安を抱くことも珍しくありません。直感的に操作できるITツールの選定や、システムに関する教育を充実させることが重要です。

ペーパーレス化の進め方

次に、ペーパーレス化の具体的な進め方をご紹介します。
スムーズな導入を実現するには、適切なステップで準備を進める必要があります。
ペーパーレス化を検討している企業の方は、以下の3ステップを参考にしてみてください。

ステップ① 解決したい課題や導入目的を決める

ペーパーレス化を進める第一歩は、解決すべき課題や導入目的を明確にすることです。
コスト削減や業務効率化、セキュリティ対策など、具体的な導入目的を設定することで、システムやITツールを選ぶ際の判断材料になります。

ステップ② ペーパーレス化する書類の種類を決める

すべての書類を一度にペーパーレス化するのは現実的ではありません。
まずは対象となる書類を絞り、優先順位を明確にしましょう。頻繁に利用する書類や、保存が義務付けられている書類から着手するのが効果的です。対象を限定することで負担が軽減され、ペーパーレス化の効果や利便性を実感しやすくなります。

ステップ③ 必要なITツールやサービスを選定する

ステップ①とステップ②を踏まえ、自社に適したシステムやITツールを選びましょう。
文書管理システムや電子署名ツール、スキャナーなど、様々な選択肢があります。操作性、コストを考慮しながら検討を進め、現場の意見を取り入れながら、無理のない導入計画を立てることが重要です。

ペーパーレス化に向いている書類、向いていない書類

前述にもあるように、すべての書類を一度にペーパーレス化するのは現実的ではありません。優先順位をつけて取り組みましょう。
では、どういった書類がペーパーレス化に向いている、または向いていないのでしょうか。それぞれ代表的なものは以下の通りです。

ペーパーレス化に向いている書類

ペーパーレス化に向いているのは、閲覧が主な目的であり、場所や時間を問わずアクセスが必要な書類です。
例えば、給与明細書はその代表例です。電子化することで、従業員がスマートフォンやパソコンから簡単に閲覧できるようになり、印刷や配付の手間を削減できます。また、検索性や保存性にも優れ、長期的な管理も容易です。他にも、業務マニュアルや会議資料など、頻繁に参照され、定期的な更新が必要な書類もペーパーレス化に向いています。

ペーパーレス化に向かない書類

ペーパーレス化に向かない書類は、一時的に使用される書類や電子化すると利便性が低下する書類、紙での取り扱いが前提となっている書類などがあります。
例えば、手書きメモのように短期間で不要になる書類は、電子化の手間に見合わない場合があります。また、特殊な形式や大判サイズの書類は、電子化することで閲覧や利用が不便になることがあります。さらに、紙での署名や押印が必要な文書や、法律で紙原本での保存が義務付けられている書類などもペーパーレス化には適しません。

まとめ

ペーパーレス化は、コスト削減や業務効率の向上、環境保護など多くのメリットをもたらします。一方で、初期費用やシステムトラブルなどの課題も存在します。成功の鍵は、導入目的を明確にし、適切なITツールの選定や社員教育を徹底することです。

また、ペーパーレス化に向いている書類を優先的に進めることで、効果を実感しやすくなります。
社内のペーパーレス化を始めるなら、まずは給与明細の電子化がお勧めです。給与明細は毎月発行されるため、電子化することで紙代だけでなく、印刷や配付にかかるコストを大幅に削減できます。また、封入封緘も一切不要になり、これまで給与明細の作成にかかっていた時間をほかの業務に使うことができます。

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