Macで遠隔操作はできる? 画面共有の方法や必要な設定
リモートワークを推進していて、社内のMacを遠隔操作するにはどうすれば良いか悩んでいませんか。実は、Macではリモートコントロールツールにより遠隔操作できます。今回は、Macを遠隔操作する手順や注意点について紹介します。
Macの遠隔操作はリモートコントロールツールで行う
Macは、リモートコントロールツールを利用することで遠隔操作できます。
Macの画面共有をオンにしている状態で、リモートコントロールツールを利用することで、同一画面の表示だけでなく、マウスやキーボードの操作もできます。つまり、遠隔でMacの操作ができるということです。
Macの遠隔操作は、リモートコントロールツールの利用により、Mac同士だけでなく、Mac以外のPCからも遠隔操作できます。
【Mac】遠隔操作するにはVNCを用いる
Macを遠隔操作するには、リモートコントロールツールであるVNCが必要です。VNCの特徴について解説します。
VNCとは?
VNCは、Virtual Network Computingの略です。VNCは、Macで標準採用されているPCの遠隔操作で用いられるソフトウェアです。Windowsでは、RDP(リモートデスクトップ)が標準採用されており、WindowsとWindows、あるいはMacからWindowsに接続できるようになっています。
Macで標準採用されているVNCは、1999年にイギリスのオリベッティ・オラクル研究所が開発したソフトウェアです。オープンソフトウェアとして公開されており、派生ソフトも開発されています。
VNCには、サーバーソフトとクライアントソフト(ビューアソフト)の2種類があります。サーバーソフトは、遠隔操作をされる側のPCにインストールするソフトウェアです。クライアントソフトは、遠隔操作する側のPCにインストールして使用します。
1台のPCに、サーバーソフトとクライアントソフトの両方をインストールできます。
VNCでWindowsからMacの遠隔操作も可能
VNCは、Mac以外の、WindowsやLinuxなどのOSにも対応しています。インストールすることで異なるOS間でも接続できる仕組みです。
WindowsではRDPにより遠隔操作できますが、RDPを利用してWindowsからMacにアクセスできません。Macには標準でRDPを受け付ける機能が備わっていないためです。
VNCはOSの環境に関わらず利用できることから、WindowsからMacの遠隔操作にも対応しています。Macについては、VNCが標準搭載されているためインストールする必要はありません。Windowsについては、VNCのインストールが必要です。
共有する側・される側に必要な設定
遠隔操作で画面共有する側とされる側、それぞれに必要な設定をケース別に紹介します。
共有する側の設定
共有する側について、MacからMacの場合、MacからWindowsの場合、WindowsからMacの場合の、それぞれの設定方法を解説します。
MacからMacの場合
MacにはVNCが標準搭載されているため、VNCをインストールする必要はありません。しかし、会社のサーバーに外部から接続する場合は、VPN(Virtual Private Network)の設定が必要になることがあります。VPNの設定は、下記の手順で行います。
- アップルメニューの「システム設定」を開く
- 下にスクロールして「ネットワーク」を開く
- 「アクション」をクリックする
- 「VPN構成を追加」をクリックする
- VPNのタイプや表示名を入れて追加する
- サーバーアドレスやアカウント名などを入力する
- ユーザー認証などを入力する
- 追加したVPNに接続する
ネットワークの準備が整ったら、下記の手順により画面共有を開始します。
- 「Finder」を起動する
- メニューから「移動」をクリックする
- 「サーバー接続」をクリックする
- 接続を開始する
MacからWindowsの場合
MacからWindowsを遠隔する方法は複数あります。今回は、Microsoft社のWindows Remote Desktopを使用した方法を紹介します。手順は下記の通りです。
- MacのApp Storeアプリを開く
- Microsoft Remote Desktopをインストールする「ネットワーク」を開く
- Microsoft Remote Desktopアプリを開く
- 「Add PC」をクリックする
- 接続するPCのIPアドレスを入力して追加する
- 追加したPCがアプリの画面に表示される
- アプリに表示されているPCの画面をダブルクリックする
- ユーザー名とパスワードを入力してログインする
- 接続先のPCの画面が表示される
WindowsからMacの場合
今回は、VNCの派生ソフトであるRealVNC Viewerを使って設定する方法を紹介します。画面共有をするWindows側での設定は、下記の手順で行います。
- RealVNC Viewerのダウンロードサイトを開く
- Windowsを選択してダウンロードする
- インストーラーを起動する
- 手順に従い「Next」をクリックしてインストールを開始する
- インストール完了
- RealVNC Viewerのアプリを開く
- VNC CONNECTの入力窓に接続先のMacのIPアドレスを入力する
- ユーザー名とパスワードを入力してログインする
- 接続先のPCの画面が表示される
共有される側の設定
画面共有される側の設定を、Macの場合とWindowsの場合でそれぞれ解説します。
Macの場合
画面共有される側がMacの場合、画面共有をオンにする設定と、画面操作を許可する設定が必要です。下記の手順で設定します。
- アップルメニューから「システム設定」を選択する
- 「一般」を選択する
- 一覧の下部にある「共有」を選択する
- 「リモートマネージメント」をオフにする
- 「画面共有」をオンにする
- 「画面共有」の横にあるインフォメーションマークをクリックする
- 「ほかのユーザが画面操作の権限を要求することを許可」「VNC使用者が画面を操作することを許可」のいずれかにチェックを入れる
- 「アクセスを許可」をクリックして設定を行う
- 「完了」をクリックする
「アクセスを許可」では、画面共有ができるユーザーの範囲を設定できます。
Windowsの場合
WindowsのPCを遠隔操作したい場合、リモートデスクトップ接続の許可設定が必要です。下記の手順で設定します。
- スタートメニューを開く
- 歯車マークをクリックして「設定」を開く
- 「システム」を開く
- 「リモートデスクトップ」をクリックする
- 「リモートデスクトップを有効にする」をオンにする
- 「システム」の「電源とスリープ」をクリックする
- スリープの設定を「なし」にする
リモートデスクトップを有効にした後、画面操作される側のPCのスリープモードを解除しておくことで、接続時にスリープモードにならないようにします。
VNCを利用する際の注意点
VNCを利用したPCの遠隔操作は便利な機能ではありますが、インターネットの接続環境によっては操作に遅延が生じる可能性があります。
また、VNCはプライベートなファイルやデータベースなどへのアクセスを許可する機能のため、重大なセキュリティリスクもあります。外部からアクセスする際に、セキュリティ面が脆弱なルーターや公衆向けのWi-Fiが用いられると、不正アクセスのリスクが高まる可能性があるでしょう。
社外から遠隔操作する場合には、リスクを軽減するためにもVPNの併用が必要です。VPNとは、仮想プライベートネットワークのことで、データを暗号化できるサービスです。
Macの遠隔操作なら「RemoteOperator Helpdesk」
遠隔地からのアクセスに対応させるなら、「RemoteOperator Helpdesk」をご活用ください。システム保守にも対応したリモートアクセスサービスで、お客様をサポートします。
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まとめ
Macの遠隔操作は、Mac同士であれば画面共有機能で対応できます。WindowsからMacにアクセスする場合は、VNCのインストールが必要です。しかし、VNCにはセキュリティ面でのリスクもあります。
安全に外部から社内サーバーにアクセスできるようにするためにも、機能性とセキュリティ対策に優れた「RemoteOperator Helpdesk」の導入をぜひご検討ください。