会社情報

9月25日は私の誕生日である。
毎年この日は、会社の幹部たちが誕生日を祝って（？）ランチ会を催してくれる。

始まりは10年ほど前だったろうか、誕生日の12時前に、突然社員が「失礼します」と私の部屋にやってきてテーブルを拭いたり、花を飾ったりし始めた。何も知らされていない私は、「おいおい！　何が始まるんだ」とびっくり。

お弁当に大きなケーキ、飲み物、そしてお花が並んだころになると幹部社員が続々と集まって来た。すかさず社員の一人が、「社長（当時私は社長だった）、ここに坐ってください。お誕生日席ですから」と言うのである。そして大の大人が声を揃えて「♪Happy Birthday to You♪」を合唱（声は小さかったが）。少々恥ずかしかったが、私も、皆の気持ちが嬉しいので小声で歌った。

以来、毎年、私の誕生日には誕生日ランチ会を催してもらっている。

最近は恒例になったので驚かないし、前日には「明日は誕生日だな」と楽しみにもなってきた。ランチ会の趣向はほぼ毎年同じだ。

最近「♪Happy Birthday to You♪」のバックトラックは社長の松原さんが用意してくれる。音楽の好きな彼は、ギターとかSAXとか歌とか色々なバージョンを用意してくれている。以前、社員の一人がウクレレで歌と演奏を披露してくれたこともあった。

ろうそくを消す場面ではスマホのフラッシュが勢いよくたかれる。
写真は開発のA君の担当らしい。「ここで良い写真を撮らないとFacebookに載せられないから」と言うので、この場面ではできるだけ笑顔のピースを作る。ノンアルコールビールが注がれ乾杯！　「会長、おめでとうございます」が終わると、いよいよお楽しみのお弁当タイムに入る。お弁当はその時々で変わる。

今回このコラムでちょっと皆さんにご紹介しようと思い、社員にどこでオーダーしているのか聞き出した。

一つ目は、小伝馬町の有名店「古今」の3段弁当。朱塗りの小さいお弁当箱が3段。まずはつくねや焼鳥やエビフライなどが詰まった一段。2段目は貝や煮物など。3段目はホカホカのご飯である。今年はこれだった。もう何回も登場しているがこれは本当に旨い。

二つ目の弁当は、神田明神下の「みやび」の平次弁当。木のわっぱ風の丸い2段弁当である。一段は煮物や焼魚などが色とりどり。2段目はちらし寿司。最近これは出てこなくなった。美味しかったのにな～。

最後には「なだ万」の彩りちらし御膳だ。横長のお弁当箱の3分の2がちらし寿司。あなごやイカなどの魚介がたっぷり盛り付けられている。残りのスペースには出汁の効いた煮物や海老や鴨などがぎっしりと詰まった豪華版である。目下のところ私はこれが一番好きである。昨年初めて登場したが、この美味しさに感動した。

少々値段が高いらしいが、「来年は、なだ万のお弁当が食べたい」と図々しくリクエストもしておいた。

お弁当を食べ始めると、決まって、皆がこれは「美味しい！」と口々に言い放す。たわいのない会話も始まる。うちの幹部たちは比較的おとなしい人が多いが、こういうときになると決まって「××さんは何歳になった？」「○○君、最近運動やってる？」「△△さんのお子さんは大学生？」「会長お孫さんは喋りますか？」「今年の花は誰が買ってきたの？」「人生2回目の花屋でした」とか会話が弾む。

今年は「会長、何歳になりましたか？」と聞く奴がいたが、それは「内緒だ」と答えておいた。

お弁当を食べ終わるころには、ホットコーヒーが運ばれて来て、デザートタイムになる。

私は苺のショートケーキが好きである。今年は「近江屋洋菓子店」の大きな苺がごろごろ入ったケーキだった。ケーキは最初の誕生日会のときより大きくなっているような気がする。多分人数が増えたからだろう。ちなみに今年は11名だった。

ケーキを切るのはいつも営業のM君である。なぜか彼が切り分けると綺麗に見える。

「来年はチョコレートケーキにしましょうか？」とS君に言われたが「いや！　やっぱりこれがいい」と断った。やはりケーキはショートケーキに限る。実は、このコラムを書いている前日にも、家で「グラマシーニューヨーク」のショートケーキを食べたばかりである。

お誕生日ランチが始まって45分過ぎたころだろうか、「お腹いっぱい」「食べ過ぎたァ」の声と共に、「では、おめでとうございました」とお開きになる。

うちの幹部が偉いのは全員でさっさっと片付けをしてしまうことだ。13時には何もなかったように午後が始まる。

毎年祝ってくれてありがとう！
「どんな豪華なパーティーよりもこの小さな誕生日ランチが最高！！」といつも思っている。

誕生日ランチ会

株式会社インターコム
代表取締役会長 CEO 高橋 啓介