導入事例

《日機装株式会社様》
AWSでのサーバー運用と「Biware」の確かな製品サポートによって、継続したシステム管理体制の強化につながりそうです。

製造業(医療機器類など)
JX
Biware EDI Station

ポンプシステムや粉粒体計測装置、透析関連装置などの分野で極めて高度な技術開発力を誇り、半世紀以上にわたって独創的な製品を提供し続ける日機装株式会社様。主力事業の1つである血液透析装置の分野では、国内シェア50%超を誇るリーディングカンパニーとして日本の透析医療を支えられています。
従来型EDIからインターネットEDIへと接続方法の変更が業界VAN会社より求められる中、新たなEDIシステムとして「Biware EDI Station」をご採用いただきました。当時ご導入いただいた際の経緯や決め手などについて、グローバル情報統括部の甚沢様にお話を伺いました。

導入の経緯

業界VANサービスの接続方式の変更に伴い、
運用負担の少ないEDIシステムへの移行を検討。

まずはEDIシステムの見直しをご検討されたきっかけについて教えてください。

グローバル情報統括部 第二グループ 甚沢 攻様

NTT東日本/NTT西日本より、INSネット ディジタル通信モード のサービス終了に関する発表が既になされています。これを受けて当社が利用している@MD-Net(医療機器・材料業界のVANサービス)でも、INSネットを利用した従来型EDIからインターネットを利用した新しいEDIへと接続方式を切り替える発表がありました。当社ではそれまで全銀TCP/IP手順で接続を行っていましたので、インターネットEDI(JX手順)での接続に対応するべく新たなシステムを探し始めたのが最初のきっかけとなります。

インターネットEDIシステムの導入に際し、製品のご選定はどのように進められたのでしょうか。

エントランスに展示された人工膵臓

実は当初、クラウド(SaaS)型EDIサービスの利用を検討していました。これは故障やリース切れによるハードウェアの入れ替え、あるいはシステムトラブルへの対応など、社内で運用する上での手間を極力省きたいという思いが強かったためです。ところが現状のクラウド型EDIサービスは、当社のEDI取引量に対して利用料が思った以上に割高となるサービスが多く、費用の観点から現実的ではありませんでした。一部低価格のサービスもありましたが、今度はセキュリティの観点から必ずしも当社の基準を満たすものではなかったため、利用を見送ることにしました。

そこでEDIサービスの利用は諦め、EDIパッケージの導入を検討することにしました。ちょうど社内の別の部門でAWS(Amazon Web Services)を先行して利用していましたので、AWSとのネットワーク設計なども既に構築されていました。その環境を使ってEDIシステムを運用できれば、ハードウェアの準備や今後のリプレイスなどを考える必要がなく、これまでよりも運用上の負担が削減できると考えました。
その後、比較的安価で当社の機能要件を満たしたパッケージ製品を吟味する中で、最終的に「Biware EDI Station」を採用することにしました。

「Biware EDI Station」をご選定いただいたポイントは何だったでしょうか。

「Biware EDI Station」を採用した主なポイントは次の2点です。各製品を吟味する中で仕様面と費用面のバランスのとれたEDIパッケージが、当社にとっては「Biware EDI Station」でした。

導入の決め手
  • AWS上での動作をサポートし、かつ比較的安価であった点

    EDIパッケージの導入候補を探すにあたり、AWS上での動作保証に加えて比較的安価なものを第一段階の選定基準とした。当社の費用面の希望を満たしていても、AWS上での動作を保証していないなど両者を満たす製品がなかなか見つからない中、「Biware EDI Station」はこの両者を満たす当社にとってバランスのとれた製品であった。

  • 操作画面がとにかく使いやすかった点

    例えば「Biware EDI Station」のワークフロー作成機能は、取引業務における一連の処理の流れをドラッグ&ドロップ操作で簡単に定義でき、さらに簡単なプログラミング作業を行うことで柔軟にワークフローを作成することができた。画面上には様々なアクションがわかりやすい機能アイコンで用意され、直感的に操作できると感じた。

導入の状況

AWS上にEDIサーバーを構築。
運用負担の少ない管理を実現

導入状況について教えてください。

まず「Biware EDI Station」のサーバーはAWS上に構築しています。基幹システムは社内ネットワーク上に構築しており、両者を専用線でつないで運用しています。例えばデータを受信する際は、まず社内のネットワークスイッチを通ってEDIサーバーで受信処理を行い、EAIツールを経由して最終的に基幹システムへ集約される形となります。

接続先となる@MD-Netとは、主に午前中からお昼過ぎにかけての時間帯と夜間の時間帯を使って「発注(受注)」や「仕切」などの取引データを送受信します。受注処理は@MD-Netの各営業所に応じて、担当エリアとなる当社の各支社/営業所が直接対応します。「発注」データを受信すると、当社営業所の業務担当者はまず、内部統制上の業務フローに沿って基幹システムのWebアプリケーションから注文内容を確認します。特に問題が無ければ社内的に正式な受注となり、出荷の手配などその後の受注処理を進める形をとっています。なお取引を行わない深夜の時間帯はEDIサーバーの電源を落とすことで、運用コストの削減に努めています。ちなみに@MD-Netを経由した各販売会社との取引は、ダイアライザー(人工腎臓)の透析膜や血液回路チューブなど医療系の消耗部材が中心となっています。

日機装株式会社様 EDIシステム概要図

2016年3月から5月にかけて、EDIサービスからEDIパッケージまで各種製品/サービスを比較検討し、「Biware EDI Station Standard(流通EDI)」を購入。2016年6月頭より構築を開始し、約2週間の間にEDIサーバーの構築から接続先との疎通テストまでを行って短期間での本稼働を実現させた。
EDIサーバーの運用管理は複数名体制で行う。なおEDIサーバーは、毎週1回各種設定やログデータのバックアップを実行している。また送受信したファイル自体もその都度バックアップを行っている。
現在、一部の物流業者との取引を従来型EDIで行っている。これを段階的にインターネットEDIへ移行させ、近い将来、「Biware EDI Station」による運用に一本化する予定だ。

運用と効果

充実した製品サポートによる安心感に加え、
ハードウェアの維持管理にまつわる負担を削減。

導入効果についてお聞かせください。

ダイアライザーと透析装置

「Biware EDI Station」を導入して約4か月が経過しました。一部従来型EDIによる取引も併用していますが、従来のEDIシステム同様に支障なく運用できていますので、まずは安心しています。

ちなみに「Biware EDI Station」を導入する際、製品サポートを何度か利用しました。電話での問い合わせに真摯に対応していただいたり、リモート操作で通信設定や業務設定などの設定操作をご支援いただいたりと非常に助かりました。特にJX手順などの新しい通信手順の設定については弊社の方で不明な点もあります。この点、インターコムのサポート部門にはノウハウがしっかりと蓄積されている印象があり、今後利用を継続する上での安心感につながりました。

あとは “導入の経緯” でも触れましたが、今回AWS上での運用を実現していますので、従来のEDIシステムと比べた場合、それも導入効果につながっています。併用している従来型EDIのシステムは社内で運用していますので、稼働系/待機系を含めてハードウェアの維持管理にいろいろと手間やコストがかかっています。一方AWSの仮想サーバーであれば、少なくともハードウェアの障害復旧は担保されていますので、万が一のトラブルにも迅速に対応できる上に、可用性を維持する上での運用負担を削減できます。

当初、クラウド型EDIサービスの利用を検討していた理由としては、EDIシステムの運用負担を極力省きたいという点に加えて、システム構築などにまつわる技術情報が極力社内の一部の担当者に集中しないようにしたいという点がありました。仮に私達が他部門に異動した場合でも何ら問題なくシステムが継続運用されるためには、技術情報などのナレッジが組織内でしっかりと管理できている必要があります。当社の場合、その実現のために外部のEDIサービスを利用するのが得策だと考えていました。費用の関係で今回はEDIサービスの利用を見送りましたが、AWSでの運用や「Biware」の確かな製品サポートの存在がその代替手段になり得るのではないかと期待しています。

掲載している情報は、取材日時点のものになります。
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