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Windowsのアップデートをしないとどうなる? リスクを解説

Windows アップデート しないとどうなる
Windowsのアップデートをしないとどうなる?リスクを解説

Windows搭載パソコンを使用していると、Windowsアップデートの通知が表示されることがあります。「作業の手を止めたくない」「特に問題なく使える」といった理由で、先延ばしにしている人もいるのではないでしょうか。Windowsアップデートには、新たな機能の追加や既存機能の向上だけでなく、セキュリティを強化してパソコンを保護する目的があるため、適切な対応が必要です。
本記事では、Windowsのアップデートをしない場合のリスクや、アップデートの注意点、確実にアップデートを適用する管理方法などについて解説します。

Windowsのアップデートとは、システムを最新に保つ更新プログラムのこと

Windowsのアップデートとは、Microsoftがリリースする、Windowsのシステムを最新に保つ更新プログラムを適用することです。配布されたプログラムを実行すると、既存のプログラムで発見された問題点の修正や、新たに開発された機能の追加が行われ、使用しているWindowsが最新の状態になります。Windowsアップデートを行うことで、パフォーマンスや機能が向上し、快適かつ安全にシステムを使い続けることができるのです。

Windowsの更新プログラムは、大きく「Windows Feature Update(機能更新プログラム)」と「Windows Quality Update(品質更新プログラム)」の2種類に分かれます。それぞれ、下記のような役割を持っています。

Windows Feature Update

Windows Feature Updateは、Windowsの機能を更新するプログラムです。主な目的は新機能の追加や既存機能の拡張で、メニューの配置などUIが大幅に変わることも珍しくありません。そのため「大型アップデート」「メジャーアップデート」と呼ばれることもあります。Windows Feature Updateにより、脆弱性などが修正された最新の機能を使用できるため、セキュリティリスクを軽減する上でも重要なアップデートです。

Windows Quality Update

Windows Quality Updateとは、主にセキュリティや品質を更新するためのプログラムです。発見された脆弱性や不具合などを修正し、セキュリティを最新の状態に保ちます。例えば、セキュリティ上の問題点が公開されていて、すでにその問題点を悪用した攻撃が発生している場合など、緊急性の高い脆弱性に対する更新プログラムも含まれているため、リリース後はできるだけ早く実行しましょう。

Windowsをアップデートしないことによるリスク

Windowsをアップデートせずに放置していると、どのような問題が起こるのでしょうか。主に、下記3点のようなリスクが想定されます。

セキュリティリスクが増大する

Windowsをアップデートしないと、セキュリティリスクが増大します。OSやソフトウェアは、公開されるまでに綿密なテストを重ね、不具合や脆弱性を解消してからリリースされますが、設計・開発段階ですべてを発見するのは簡単ではありません。更新プログラムは、リリース後に見つかった問題点を修正する役割があるため、アップデートを怠ると、脆弱性を利用した不正アクセスなどのサイバー攻撃に遭遇する危険性が高まります。

また、Microsoftが提供するWindowsのセキュリティ対策ソフト「Microsoft Defender」のウイルス定義ファイルもアップデートされません。Windowsのアップデートをしなければ、ウイルス感染のリスクも高まります。

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Windowsのサポートが終了する

Windowsをアップデートしないままでいると、Windowsのサポートが終了する可能性もあります。Windowsは、バージョンごとにサポート終了期限が設定されていて、サポート終了後は原則としてセキュリティ上の欠陥が見つかっても修正されません。脆弱性が放置されたまま使い続けることになるため、ウイルス感染やサイバー攻撃に遭う危険性が高まります。

なお、Windows 10の最終サポート期限は、最新バージョンの22H2にアップデートしていれば2025年10月14日までです。それより前のバージョンはサポートを終了しているため、使用し続けることにはリスクが伴います。

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パソコンの挙動が不安定になる

Windowsのアップデートをしなければ、パソコンの挙動が不安定になるリスクもあります。急に起動しなくなったり、動作が極端に重くなったりして、業務に支障をきたす事態にもなりかねません。安心かつ安全にパソコンを使い続けるためにも、Windowsアップデートは重要です。

Windowsをアップデートする際の注意点

Windowsをアップデートすることにより様々なリスクを軽減できますが、アップデートする際に注意しなければならない点もあります。アップデートの通知が来たら、下記の3点を念頭に置いて進めましょう。

時間がかかる

Windowsアップデートにかかる時間は、場合によっては10分以上にもなるケースがある点に注意が必要です。アップデートの所要時間は、回線速度やハードウェアの処理能力などによっても変わりますが、一定の時間がかかり、また、明確な終了時間は提示されません。

急いで起動して業務に入りたいときや、早くシャットダウンして業務を終えたいときには、終わりの見えないWindowsアップデートを不快に感じることもあります。時間がネックとなって、Windowsアップデートへの対応を怠ってしまうケースも少なくありません。そのような事態を避けるためには「アクティブ時間」と呼ばれる機能を活用するのが有効です。

アクティブ時間とは、普段パソコンを使用している時間のことで、Windowsではアクティブ時間以外の時間帯に更新や再起動を行うように指定できます。アクティブ時間は、端末の稼働状況から自動的に調整することもできますが、任意の時間に設定することもできます。任意の時間に設定したい場合は「設定」ボタンを押し「Windows Update」内の「詳細オプション」で、アクティブ時間の項目を「手動」に切り替えて設定しましょう。

不具合が生じる可能性がある

Windowsアップデート後には、不具合が生じる可能性にも注意しなければなりません。過去には、一部の端末で再起動を繰り返して起動できない不具合や、VPN接続ができなくなるトラブルが発生したことがありました。

しかし、こうした不具合が起こるかどうかは、環境によって異なります。全ユーザーの環境に対応し得る更新プログラムを配信するのは現実的でないため、不具合が生じる可能性がゼロになることはありません。最悪の事態に備えて、データのバックアップを行い、サブ機器を準備しておくなどの対策をしておきましょう。

使用中のソフトウェアや外部デバイスが使えなくなる可能性がある

Windows Feature Updateを実行すると、使用中のソフトウェアに不具合が出たり、外部デバイスの互換性がなくなって使えなくなったりすることがある点にも注意してください。慣れ親しんだソフトウェアや機器が使い続けたいニーズはあるかもしれませんが、アップデートを怠ってセキュリティリスクを放置し、サイバー攻撃の被害に遭うと重大な損害が発生する可能性もあります。機器の買い替えによるコスト増や一時的な生産性の低下と、サイバー攻撃のリスクを比較して、対策を検討しましょう。

社内のWindowsアップデートを管理する方法

Windowsのアップデートを各従業員の判断に任せていると、対応する人と対応しない人に分かれ、組織全体のセキュリティレベルを担保できません。組織をセキュリティリスクから守るため、管理者や責任者を設けて、社内のWindowsのアップデートを一括管理しましょう。

全社的にWindowsのアップデートを管理する際は、下記のような方法が有効です。

リモートでWindowsのアップデートを管理する

IT資産管理ツールを導入すれば、社内のWindowsのアップデートをリモートで一括管理することができます。社内で管理しているすべてのWindowsを、手動でアップデートするのは非効率な上に、人的ミスも避けられません。IT資産管理ツールには、各端末のアップデートの状態が最新かどうかをリモートでチェックし、更新プログラムを適用できるツールもあるため、人的コストと時間の削減につながります。

業務時間外にアップデートを適用する

リモートでのアップデートの管理ができない場合でも、各端末に一律にアップデートを適用するために、業務時間外でアップデートを行うよう社内管理をする方法が考えられます。

従業員一人ひとりが自分のタイミングでアップデートをすると、社内の業務が滞る可能性もあるため、アップデート時間を業務時間外に統一したほうが効率的です。アクティブ時間を業務時間外に設定するよう周知するか、一括管理で終業後や休日に行われるように設定しましょう。

検証用端末で事前にアップデート後の動作を確認する

社内の端末にWindowsアップデートを適用する際は、不具合が生じることを想定して、社内の全端末に適用する前に検証用端末でアップデート後の動作を確認することも重要です。

すべての社内端末を同時にアップデートすると、全端末で不具合が発生して業務を停止せざるを得ない状況になることも考えられます。検証用端末を用意して、アップデートの通知が来たら先にその端末のみでアップデートを実行し、各種ソフトウェアやツール、機器などとの互換性、および動作の不具合の有無をチェックすれば、安全にアップデートを社内端末に適用できます。

IT資産管理ツールを導入して、Windowsのアップデートを管理しよう

セキュリティリスクを放置してサイバー攻撃を受けると、重大な損害が発生する可能性もあるため、Windowsのアップデートを従業員任せにするのは危険です。Windowsのアップデートによってトラブルが起こるリスクは検証用端末の導入で対策しながら、早めにアップデートを適用しましょう。

全社のWindows端末を最適な状態にするためにも、トラブルが起きた際の被害を最小限に抑えるためにも、IT資産を適切に管理できるツールの導入をお勧めします。インターコムが提供する情報漏洩対策・IT資産管理ツール「MaLion」シリーズでは、各端末にWindows更新プログラムが適用されているか否かを確認したり、必要に応じて更新プログラムを配布して一斉適用したりすることができます。IT資産管理にお悩みの場合は、ぜひ導入をご検討ください。

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