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効果的な備品の台帳管理の方法とは? 台帳の作り方や運用手順を解説

台帳管理
効果的な備品の台帳管理の方法とは? 台帳の作り方や運用手順を解説

備品は企業の保有資産ですから、内訳と所在を明らかにしておく必要があります。しかし、昨今はパソコンやスマートフォン、タブレットなど、管理対象となる機器の種類・数が増加している上に、テレワークなど備品を社外に持ち出す機会が増えています。管理が煩雑になり、追いついていないという企業もあるでしょう。
そこで本記事では、備品の台帳管理が必要な理由のほか、台帳の具体的な作成方法や運用手順、効率良く管理を行うポイントなどをまとめました。備品の管理方法の見直しにお役立てください。

台帳管理とは、備品の保管場所や利用状況などを台帳で管理すること

台帳管理とは、社内の備品の名称と保管場所、利用状況などを台帳に記載して適切に管理することです。備品の台帳は、どこに何があり、誰が使っているのかを明確にするために作成します。
なお、台帳管理に使用する台帳は、紙媒体である必要はありません。多くの場合、内容の更新や確認がしやすい資産管理ツールやExcelなどの表計算ソフトが利用されています。

備品の台帳管理が必要な理由

備品の台帳管理は、主に保有資産を適切に管理・活用するために行われるものです。それによって、下記のようなメリットがあるため、備品の管理はできる限り台帳で行うのがお勧めです。

備品の状態・品質管理

備品を一つひとつ適切に管理すると、メンテナンス状況や利用期間などが明らかになります。買い換えが必要な時期などをあらかじめ把握できるため、スムーズな入れ替えやメンテナンスができるようになります。

不要な備品購入・紛失の防止

備品を台帳管理することで、社内に何がどれだけあるのかがひと目で確認できるようになります。すると、不要な備品を追加購入したり、使いたい備品の所在がわからなくなったりする事態を防ぐことが可能です。
例えば、「営業部に使っていないパソコンがあるにもかかわらず、経理部の新入社員のためにパソコンを購入してしまった」といったケースは、備品を台帳で適切に管理していれば起こりません。台帳に備品の所在も記載れているので、「どこかに使っていないパソコンがあるはずだけど、どこにあるかわからない」といった問題も回避できます。

セキュリティ対策

適切な台帳管理によって備品の保管場所や使用者を明らかにすることは、セキュリティ対策にもつながります。
管理が徹底されていないパソコンや関連機器があると、そこから情報が漏洩するような事態も発生しかねません。備品の台帳管理を行うと、誰が、どこで、どのパソコンやIT機器を使用しているのかを台帳に明記することになるため、IT機器などが所在不明になるといったリスクの低減が可能です。

業務効率化

どこに、どの備品があるのかが一覧になっていれば、必要な備品を探す手間と時間を省けます。備品を管理する台帳には、使用中か未使用かも記載されるため、「余っているタブレットを探している」といった要望があった場合にも、すぐに対応可能です。

節税対策

台帳による管理で、不要になった備品や破損した備品が明らかになることもあります。そのような備品は、廃棄して除却処理をすれば、節税になる可能性があります。
耐用年数が過ぎる前の減価償却中の資産でも、使わなくなった場合は廃棄して除却処理を行えば、「固定資産除却損」として経費計上することが可能です。

備品の台帳に記載すべき項目

備品を管理する台帳は、ExcelやGoogle スプレッドシートなどで自作できます。
台帳に記載すべき項目については、法律などで厳格な決まりがあるわけではありませんが、下記のような情報は記載しておく必要がありますので、抜けがないように注意しましょう。

備品に関する情報

備品には、必ずそれぞれに管理番号を付番しなければなりません。その管理番号を含め、備品に関する下記の情報を台帳に記載していきます。備品の種類によっては、下記の項目に加えてメーカー名やシリアルナンバー、型番、耐用年数、資産科目、取得価額などを記載する場合もあります。自社の状況によって必要な項目を追加していくようにしてください。

  • 管理番号(自社で定めた番号)
  • 名称(パソコンなど、備品の名称)
  • 種別(IT機器など、検索しやすいように定めたカテゴリ)
  • 保管場所
  • 購入日
  • 利用状況(使用中・未使用など)
  • 利用者名

台帳の管理に関する情報

台帳に記載する項目は、備品に関するものだけでは十分ではありません。下記のような、台帳に記載された情報が、いつ、誰によって記載されたものなのかという情報を盛り込まなければ、重複登録や更新ミスなどがあってもそれを特定できなくなってしまう可能性があります。

  • 登録日時
  • 登録者
  • 更新日時
  • 更新者

パソコンを台帳管理する場合の注意点

パソコンに関する台帳を作成する際は、本体だけでなくソフトウェアの情報も併記しましょう。パソコンのスペックやOS、インストールされているソフトウェア、ソフトウェアのライセンス情報についても管理が必要です。
管理項目が多岐にわたるため、備品の台帳のほかにライセンスを管理する台帳を作成し、情報を紐付けて管理するのが効率的です。

パソコンや関連情報の管理について詳しくは、下記の記事をご参照ください。

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備品を適切に台帳管理するための手順

備品を適切に管理するためには、台帳への記載だけでなく、実物と台帳との紐付けが必須です。台帳が形骸化しないように、下記のような手順で管理・運用しなければなりません。

1. 台帳作成・情報登録

備品を台帳管理する際は、最初に台帳を作成します。記載する項目を決め、台帳のフォーマットを作成し、保有資産に関する情報を記入していきましょう。
備品を購入したり、利用状況などが変わったりしたときは、台帳の情報を更新しなければなりません。情報が古いままでは、台帳管理の意味がなくなってしまうためです。

2. 台帳の情報を記載した管理ラベルの備品への貼付

台帳に記載された情報を実物の備品に紐付けるために、ラベルを貼付します。
例えば、A・Bという2つの備品が台帳に登録されていても、実物の備品のどれがAでどれがBなのかが区別できなければ適切な管理はできません。備品Aには「00001」、備品Bには「00002」といったように管理番号を付して、管理番号を記載したシールをA・Bそれぞれに正しく貼付すれば、似たような備品でも区別することが可能です。

3. 運用ルールの策定

台帳をいつ、誰が更新するのかがルール化されていないと、関係者全員に「別の人が更新してくれるだろう」という意識が生じ、更新が行われない可能性があります。台帳の記入者や記入方法、購入・廃棄した際のフローなどを明確にしなければなりません。
同様に、台帳に記入する際の表記統一も重要です。「ラック」「スチールラック」「棚」など、記入者によって記載方法が異なると、管理ができなくなってしまいます。

4. 関係者への周知

台帳の作成や運用ルールの策定などが終わったら、管理に関わる従業員全員への周知が必要です。せっかく台帳とルールを作っても、関係者がそれを知らなければ活用することができません。

5. 定期的な棚卸

備品の台帳と実際の備品の状況に差異がないかどうか、定期的に確認することも重要です。時期を決めて、部署ごとに備品の棚卸を行うのが一般的です。台帳の情報と実態にずれがあった場合は、原因を究明し、台帳を更新します。

備品の台帳管理を効率的に行うポイント

台帳の作り方によって、備品の管理のしやすさや管理効率が変わります。できるだけスムーズに正確な管理ができるように、台帳の作成時や自社の台帳を見直す際には、下記のようなポイントについて確認しましょう。

位置情報の管理

備品が現在どこにあるのかが台帳に正確に記載されていることは、備品の台帳管理では重要なポイントです。
記載内容についても、「営業部」という記載だけでは営業部全体を確認しなければなりませんが、「営業部 営業一課」と記載されていれば、営業一課を探すだけで済みます。さらに、「営業部 営業一課の収納棚B」などと記載してあれば、備品をすぐに見つけることが可能です。
ただし、あまり細かくしてしまうと記載や管理の手間が増えるため、実務と管理効率のバランスを考えて検討してください。

台帳への視覚情報の添付

備品の台帳に実物の写真を添付しておくと、どのようなものなのかを視覚的に判断できます。「台帳に記載されている備品が求めているものに合致するか、実物を見るまでわからない」といったケースがなくなるため、備品を探す際の手間を効率化することが可能です。

備品管理ツールの導入

備品に貼付したバーコードなどをスマートフォンで読み取ることで、情報を管理できる備品管理ツールを活用すると、管理はより効率化します。実物の備品と台帳上の情報を自動で紐付けてくれるため、入力の手間が少なくなり、スピーディーで正確な管理が可能です。

IT資産管理ツールの導入

パソコンをはじめとしたIT機器の管理は、IT資産管理ツールを利用するのが効率的です。企業が保有しているパソコンのメーカー名や機種名、インストールされているソフトウェアの情報などを自動収集できるツールなら、多くのIT機器を使用している企業でも手間なくIT資産の管理ができるでしょう。

IT資産管理について詳しくは、下記の記事をご参照ください。

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備品の台帳管理は、ツール導入などでミスなく効率的に行おう

備品の台帳管理を正確に行うためには、ルールの策定と、それに基づいた継続的な管理が重要です。とはいえ、厳密な管理には手間と時間がかかります。効率的に備品管理を行えるツールの活用も検討するのが有効です。

備品の適切な管理は、業務効率化やコスト削減にもつながりますので、この機会に自社の管理方法を見直してみることをお勧めします。IT資産の管理にお困りの場合は、導入のしやすさや管理のしやすさ、サポート品質、総合的な価格面からも評価されている、インターコムの「MaLion」シリーズの導入をご検討ください。

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