ISDNからIP網への移行について
IP網への移行に際し、原則として利用者の既存の環境に変更は入らないとされています。ただ、ISDNサービス(INSネット/ディジタル通信モード)は2024年1月末でサービス終了し、その後補完策として同等のサービスが提供されています。
ただし、この補完策も無期限に提供されるわけではなく、2028年12月31日までと期限が定められております。まだ数年あると思われがちですが、回線だけが問題ではありません。
EDIパッケージベンダーは、EDIで使用しているアナログモデムやTA(ターミナルアダプター)などのハードウェアを終売してきており、急なハードウェアの故障に対して対処ができなくなってきております。そのため、お客様との通信が行えず、お取引が滞ってしまうリスクがあります。
市場や社会情勢の変化が著しく、先が見通せない予測困難な時代に早めの対策が必要です。
- 今すぐインターネットEDIへの移行が必要です!
NTT東西からのISDN提供終了(補完策含む)についての発表は、こちらをご覧ください。
- NTT東日本 お知らせ(2024年3月7日発表):https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20240307_02.html
- NTT西日本 お知らせ(2024年3月7日発表):https://www.ntt-west.co.jp/news/2403/240307a.html
▼各会社の対応方針
【NTT東日本】
- 固定電話のIP網への移行時期について:https://web116.jp/2024ikou/schedule.html
- INSネットをご利用の事業者さまへ:https://web116.jp/2024ikou/business.html
【NTT西日本】
- 固定電話のIP網への移行時期について:https://www.ntt-west.co.jp/denwa/2024ikou/schedule.html
- INSネットをご利用の事業者さまへ:https://www.ntt-west.co.jp/denwa/2024ikou/business/edi.html
ISDNサービス終了に伴うEDI業界の対応
“ISDNサービス(INSネット/ディジタル通信モード)の終了”に限らず、“多様なデータ形式に対応できない”、“同期通信モデムの製造・販売が減少している” などの要因から、各EDI業界では従来型EDIからインターネットをインフラとする新しいEDIへの移行を推進する動きが進んでいます。ここでは、その一部についてご紹介します。
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流通業界(食品・日用品・衣料品系)
取引量の多い食品などの流通業界では、他業界と比べてインターネットEDIの普及活動が積極的に進んでいます。業種業態の枠を越えて、製(メーカー)・配(卸売)・販(小売)の流通三層構造におけるサプライチェーン全体の効率化を目指した新しいEDI標準として 「流通BMS(Business Message Standards)」が2007年に公開されました。現在では、流通システム標準普及推進協議会によって更新・普及活動が進んでいます。
「流通BMS」では、通信手順としてインターネットEDIのJX手順、EDIINT AS2、ebXML MS(V.2.0)がそれぞれ規定されています。またXML形式による26種(基本形 Ver.1.3.2)の業務メッセージが規定されています。
その他、酒類・加工食品の分野でVANサービスを展開する「FINET」をはじめ、業界VANもインターネットEDIへの移行を推進しています。対象商品 Biware Cloud Biware EDI Station 2 Biware JXクライアント -
電子機器業界
電子機器メーカーと電子部品・半導体メーカーの双方にとってビジネスプロセス全体の最適化を図るべく、新しいEC標準の「ECALGA (Electronic Commerce ALliance for Global Activity)」が2003年に公開されました。現在では、電子情報技術産業協会(JEITA)ECセンターによって更新/普及活動が進んでいます。
「ECALGA」では、開発基盤としてebXMLを採用しており、最新のガイドライン(JEITA/ECALGA ebXML実装ガイドラインVer.2)では、通信手順として、インターネットEDIのebXML MS(V.3.0/JEITA共通クライアント手順)が規定されています。またXML形式による各種業務メッセージが規定されています。対象商品 Biware Cloud Biware EDI Station 2 -
自動車業界
自動車業界では、セキュアなEDIネットワークのインフラとしてJNX(Japan Automotive Network Exchange)が2010年より正式に稼働しています。IPsecによりネットワーク上のセキュリティが担保されており、自動車メーカーや部品メーカーはインターネットや専用線などを通じてアクセスします。
セキュアな業界ネットワークが既に構成されているため、通信手順は全銀TCP/IP手順やFTPといった従来型の手順が利用されています。また業務メッセージは、国際標準であるUN/EDIFACTが採用されています(JAMA-JAPIA EDIFACT)。その他、納入や検収などの業務に必要な現品票、かんばん、納品書などの帳票類についても標準化がなされています(JAMA-JAPIA EDI標準帳票)。対象商品 Biware Cloud Biware EDI Station 2 -
化学業界
化学業界では、XMLベースの標準EDIとして「Chem eStandards」が世界的に普及しています。日本でも、石油化学工業協会のCEDI(Chemical EDI Initiative)によって、「Chem eStandards」の普及活動が進んでいます。「Chem eStandards」では、通信手順としてインターネットEDIのRNIFを採用しています。併せてXML形式による72種の業務メッセージが規定されています。
その他、化学業界ではPSTNマイグレーションに向けて、ビジネスプロトコルは従来型EDI標準のJPCA-BP(CII標準)を踏襲、通信プロトコルに全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)採用することを基本方針として掲げています。対象商品 Biware Cloud Biware EDI Station 2 Biware 全銀TCPクライアント -
医療業界
医療業界では、分野別に業界VANを経由したEDI取引が主流です。医療機器の分野では、VANとWeb-EDIのサービスを展開する「@MD-Net」が事実上の業界標準となっています。発注、欠品、仕切、預託貸出などのメッセージ交換がメーカーと販売会社の間で行われています。
「@MD-Net」のVANサービスでは、通信手順としてインターネットEDIのEDIINT AS2、ebXML MS(V.3.0)、JX手順による接続をそれぞれサポートしています。対象商品 Biware Cloud Biware EDI Station 2 Biware JXクライアント